2018.04.04
こんにちは。有難屋マガジンのよこちんです。
今回はいよいよ東海道歩き旅の序章ともいうべき箱根峠編(三島宿→箱根宿)です。東海道で最大の難所ともいわれていた「箱根峠」。
思いつきで始まった峠越えですが、果たして無事に越えられるのでしょうか・・・。
東海道歩き旅をするにあたり、知っていると便利なコトがいくつかありますが、そのうちの1つに距離の単位があります。
昔はメートル法ではなく尺貫法が使われていて、「里」や「丁」といった単位で距離を表していました。「1里=36丁」で、1里が約3.9km、1丁が約109mとなります。そんなの覚えてられない!という方は「1里=約4km」とだけ覚えておけば、おおよその距離がつかめると思います。
それを踏まえると「箱根八里」といわれる箱根峠は約32kmということになりますね。わかりやすいように箱根峠の全体像を下図にまとめてみました。
完全ノープランでスタートした峠越え。スマホで地図を確認しつつ歩き始めたけれど、充電が何とも心もとない・・・。先行きを案じながらも、歩を進めていると道の両側に立派な松の木が立ち並び始めました。
ここに限らず多くの街道沿いには松や杉の並木が見られますが、これは夏の日差しや冬の風雪から旅人を守るためだそうです。ありがたいですね。
そんな並木道をキョロキョロしながら歩いていると傍に路標が!
それからしばらく歩いて分ったんですが、結構あるんです「路標」!これなら路標を辿って行けば目的地にたどり着くことができそうです。
こちらは石に彫られた路標。見落とさないように注意。
路標を頼りにひたすら上り坂を歩きます。三島宿から箱根宿まで15kmずーっと上りです。だって峠ですから。諦めて上ります。
国道沿いを歩きつつ、たまに現れる路標にしたがって未舗装の旧道を歩いたり。昔のままの旧道も残っていて思いのほか楽しめます。「江戸時代の人たちも同じ景色をみながら歩いていたのかなぁ」なんて考えながら歩いていると『山中城跡』なる看板が!ちょうど足も疲れてきて休憩したいなぁと思っていたので、迷わず寄り道します。
城郭が好きで日本全国色々な城をみてきましたが、とても珍しい山城です。なんと石を使っていないんです。土だけで作った特徴的な障子堀や畝堀が非常に美しい!この堀は防衛面ではあまり活躍できなかったようですが※、今となっては防衛より美しさの方が重要です。山中城址、一見の価値ありです!
※小田原城を守る城として北条氏によって築城された。天下統一を目指す豊臣秀吉の小田原攻めの際に、半日で落城したと言われています。
山中城跡の見事な障子掘
そんなこんなでひたすら峠を上り続け箱根峠の標高846m地点に到着。ここから先は神奈川県に入ります。ゴールの箱根関所まであと少し!気合いを入れ直してラストスパート!
んっ?んんっ?ここまで私を導いてくれた路標が・・・ない。なんとなく道なりに進もうとするも、無情の分かれ道。そして歩道もなくなった。絶対絶命のピンチの中、何度も行ったりきたりしてようやく旧道を発見し、なんとか箱根関所にたどり着くことができました。
あくまで推測ですが路標や歩道が途切れたのは、おそらく『県境』だからでしょう。東海道は続いていても管轄する県が違う為にそういったことが起こったのかなと思いました。
皆さんも実際に歩かれる時は事前にルートを確認しておきましょう。
ひっそりと佇む「史跡 箱根旧街道」の碑と三島へと向かう旧街道
峠って上ったら下るもんじゃないの?
次回もまさかの上りルートを選択?箱根峠の後編をお楽しみに!
【所在地】静岡県三島市山中新田
【休業日】月曜日(山中城跡公園案内所・売店)
【アクセス】三島駅南口から沼津登山東海バス「元箱根港行き」乗車約30分。「山中城跡」下車すぐ
ありがたや〜